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沈殿槽(各種分離装置)の運転改善策とは?

はじめに

 沈殿分離槽(加圧浮上槽、砂ろ過装置、活性炭ろ過装置、膜などの各種分離装置)の運転状況が悪い場合、

放流水の水質は、良い、とはいえない状態です。

大型浄化槽の場合、沈殿槽の上部にスカムがかなりの厚さでたまっているケースをよく拝見します。

あるいは、ふわふわの状態で汚泥が放流槽へ流出しているようなケースです。

事業場廃水浄化処理施設でも、このようなケースがあれば、何らかの改善をする必要があります。

目標とすべき管理体制とは?

 いろいろなページで記載していますが、

どんな廃水でも、浄化処理が十分に進行すると、活性汚泥の沈降性が極めて良くなります。

微生物群の沈降性が極めて良くなるため、

重力方式の沈殿槽だけでも、

沈殿槽(あるいは各種分離装置)内で、処理水と汚泥の沈降分離が気持ち良く完了し

放流水に懸濁物質が混じることもなく、安定的にきれいな処理水が放流される

という状態です。

 

汚泥の沈降性が良くなると、

浄化処理施設全体の管理体制が非常に楽になり

結果として、

維持管理に人を選ばず、管理費用が低減でき、水質基準や行政対応に神経をすり減らすことは無くなります。

 

 事業場廃水に限りますが、

もし、凝集剤などを使用して汚泥の沈降分離性能を良くしているとすれば、

その施設ではそもそも浄化処理能力が不足している可能性が高い、ということを示唆しています。

 

ただし、大型浄化槽の場合、汚泥の返送の仕方を改善するだけでも、沈殿槽の運転管理状態は大きく変化します。 

 加えて、薬剤による沈降分離や消泡は、汚泥の比重を少なからず重くしたり、汚泥の粘性を高めたりする行為です。

汚泥の比重や粘性が高くなれば、

返送された汚泥が水槽のどこかで滞留・堆積し、施設の運転管理に障害を発生させている可能性もあります。

したがって、廃水浄化の基本は、廃水の量と汚濁の程度に見合った浄化処理能力と水槽容積が必要、ということです。

 

綱渡りのような廃水浄化処理施設の運営をされている場合、

施設の管理担当者や責任者は、常にストレスがかかった状態で業務をこなしている状態ではないでしょうか。

 

経営責任者の方は、

実際の現場の沈殿槽(あるいは各種分離装置)の状態を観察していただき、

現在の状態と比較して、

上記赤太字を実現できた場合には、今以上に活力があふれるであろう現場の状態を、

具体的に連想していただく必要があるように思います。

 

廃水浄化処理施設自体は利益を出しませんが、本来は、

収益の元となる製品を製造するためには、製造ラインから廃水浄化処理施設までをセットで考える必要があります。

 とは言いましても、予算など、限られた条件の下で、何らかの改善を図る必要がある場合がほとんどです。

したがって、目標とすべき管理体制は上記のような体制である、ということを念頭に置いていただいた上で、

当社として、可能な限りの提案をさせていただきます。

 

なお、最終手段として、

廃水浄化処理施設を増設・新設、あるいは、既設を改修せざるを得ない場合であっても、

当社が提案する処理効率が高い方式を採用すれば、容積を小さく出来るため、初期投資額を低減できます。

大型浄化槽の場合(基本的な廃水の基本的な対策)

 大型浄化槽の場合、沈殿槽の上部にスカムがかなりの厚さでたまっているケースをよく拝見します。

あるいは、ふわふわの状態で汚泥が放流槽へ流出しているようなケースです。

沈殿槽上部に汚泥が堆積している場合、処理水(放流水)にまじってSS(懸濁物質)が流出しているはずです。

多くの場合、解決策が見出せず、

凝集剤を使用していたり、沈殿槽の後段に各種ろ過装置(砂ろ過・活性炭ろ過)を設置していたり、

沈殿槽を廃止もしくは沈殿槽はそのままにMBR(膜分離活性汚泥処理方式)を新設していたりします。

 

 しかし、今や、原水がし尿や雑排水だけの場合、重力沈殿槽だけで十分な浄化処理ができる、というのが常識です。

浄化槽の構造基準に従っている場合、基本的には既存の施設のまま、一部配管の改修工事だけで運転を改善できます。

重要なポイントは主に2点、

①(接触材を使用しない)嫌気処理工程の重視、②特定薬剤注入(投入)の検討です。

処理水質については、「大型浄化槽の放流水水質の一例」をご覧ください。 

 なお、上記の対策に対応するためには、

行政との打ち合わせ(特定施設の変更届の事前確認と提出)、

実際の工事計画・施工、

工事完了後の保守点検業務(維持管理業務)などがすべて関連します。

まずは、お気軽に当社にお問い合わせください。

事業場廃水処理施設の場合

 事業場の場合、原水の性状や放流水の水質基準も様々ですので、

現状について、詳しくお聞きすることから対策に着手する必要があります。

是非、お気軽に、当社にお問い合わせください。

事業場の廃水浄化処理施設で共通すること

 廃水浄化処理方法は、ほとんどの場合、生物処理法に頼っています。

生物処理法による浄化処理は、BOD(水質を表す指標)で表される汚濁物質を除去することを主な目的にしています。

浄化槽などの生物処理法による浄化処理施設を設計する際にも、BODを計算の基礎に取り入れて設計しています。

水の浄化に関わる事業者であれば、BODの除去ぐらいは、どんな課題であっても基礎的知識で解決できるはずです。

ただし、CODについては、同じようには解決できません。なかなか難しいのです。

キーワード、CODの除去(削減・処理・分解・低下・下げる)などで検索をする方は、多いのではないでしょうか。

 

 一般的に、既設廃水浄化処理施設に対して、原水の性状・排出量・汚濁濃度などのバランスは、変化するものです。

事業場では、廃水浄化処理施設を新設する際、その当時の商品生産ラインの状況を基にして、施設を設計しますが、

市場の変化が速くなっていますので、商品生産ラインの状況も同様に変化するのが必然ではないでしょうか。

 

 一般的に、時代背景から、生産ラインは減産傾向ですが、逆に増産の場合、廃水も同じように増えるはずです。

また、生産ラインで使用される原料となる化合物は、かつては、天然化合物を使わざるを得ないのが一般的でしたが、

化学技術の向上で、天然化合物よりも単価が安く物性変化しにくい半化合物、あるいは合成高分子化合物へと変遷し、

もともと物性変化しにくいことを目指して開発された物質ですので、これを分解するのは困難とならざるを得ません。

また、水溶性の合成高分子化合物は、発泡性が高く、また、BODではなくCOD値に反映し易い傾向があります。

こういった場合、廃水浄化処理施設が能力不足に陥っている可能性は高い、と考えられます。

しかし、直ぐに処理能力増強工事を検討されるケースは少ないのではないでしょうか。

廃水浄化施設は、利益を出すものではありませんので、経営判断としては、前向きな投資に動きにくいからです。

こういった場合、廃水浄化処理施設の管理担当者は、以下項目の採用を検討することが多いのではないでしょうか。

 

なお、最後に記載するMBR(膜分離活性汚泥処理法)を採用するケースが増えていますが、問題が多いのが実態です。

 

以下、項目ごとにご案内しますが、

当社が考える施設の管理目標は、先述の「目標とすべき管理体制とは?」の内容であることに変わりありません。

繰り返しになりますが、

重力方式の沈殿槽だけでも、

微生物群の沈降性が極めて良くなるため、

処理水と汚泥の沈降分離が気持ち良く完了し、

放流水に懸濁物質が混じることもなく、安定的にきれいな処理水が放流される、という状態です。

凝集剤

 各種薬剤がいろいろなメーカーから販売されています。無機凝集剤、高分子凝集剤などがあります。

ジャーテストと呼ばれる試験を実施し、効果の高い薬剤を選定することになります。

消泡剤

 CODが十分除去できていないと、

曝気槽では当然ですが、沈殿槽でも発砲が収まらないため沈殿槽流入前に消泡剤を注入するケースがまれにあります。

 いろいろなタイプの消泡剤が、いろいろなメーカーから販売されています。 

凝集剤と同じように、消泡の効果を実際に試験して選定することになります。                                               

殺菌剤

 糸状菌が優勢化して沈殿槽をおおう場合などに殺菌剤のような薬品を注入するケースが見られます。

糸状菌が優勢化する原因は、各種研究がされていますが、その因果関係は解明されていないようです。

傾向と対策、というような形で対処されているケースが多いのではないでしょうか。

 

 ただ、糸状菌と同じく運転に支障をきたす放線菌なども、通常どこにでもいる一般的な微生物群に含まれます。

したがって、優勢化させないために、既設浄化処理施設でできる対策を探ることが、本来は優先されます。

MBR

 孔径0.1~数μmのMF(精密ろ過)膜でろ過する方法です。

英語で、Membrane Biological Reactorと称することから、頭文字をとってMBR法と呼ばれます。

膜(Membrane)と生物反応槽(Biological Reactor)の組み合わせ技術一般をいい、

膜に細菌(≒酵素)を固定化して、膜そのものを生物反応機器として使用するもの、

膜をエアレーション機器として生物反応槽(ばっ気槽)の中に使用するもの、

生物反応槽から代謝生産物あるいは反応阻害物を抽出する為に膜を使用するもの、

など様々な方式があります。

なお、沈殿槽やろ過器などの各種分離装置の運転不良がある場合、全てに対応できるかのように考えられるため、

MBRを最も進化した処理装置というように評価される方もおられますが、当社はそのように評価しておりません。

MBRの最大の特徴は、

①微生物群を高濃度に維持管理できること、

②廃水汚濁濃度も比較的高濃度で維持できること、廃水の浄化処理水槽での滞留時間を少ない容積で確保できること、

の2点です。

ただし、①MBR施設の維持費用、②定期的薬剤洗浄、③MBR施設の不具合に備えての保険的設備、が必要になります。

終わりに

 沈殿槽の運転状態を当社が考える方向で改善することは、

業者委託ではなく自社での浄化処理施設運転管理が可能になり、

薬剤購入費や設備維持費など施設のランニングコストを低減させ、

施設担当者のストレス除去、

企業イメージの改善、

SDGsに対応など、

良いことがたくさんあります。

 

特に、し尿や生活排水を浄化処理するだけの浄化槽であれば、他のページでも記載していますように、

廃水の浄化処理は、比較的容易な分類になりますので、上記のような改善は簡単に実施できます。

 

また、

どんな廃水浄化処理施設であっても、もし、運転改善が必要な状態であれば、

行政との事前交渉および届け出、改修工事、

あるいは、

事業場廃水の場合に限られると思いますが、既設に追加して当社が提案する浄化処理施設を増設するなど、

たくさんの手間や追加の費用が掛かることになりますが、

上記のように、ランニングコストの低減、維持管理業務の簡略・容易化、企業イメージ改善などに繋がりますので、

取り合えずは、当社の提案書をご覧いただき、ご検討いただく価値は十分にあると思います。

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新着情報・お知らせ

2020/03/31
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2020/7/2
大型浄化槽って何?のページを公開しました。
2021/8/9
廃水浄化とSDGsの関係とは?のページを公開しました。
2021/9/12
建築基準法31条と下水道接続のページを公開しました。
2021/12/22
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2022/4/19
下水道とは?のページを公開しました。
2022/5/10
下水道接続、どうあるべきか?のページを公開しました。
2022/6/19
2022/7/7
下水道接続義務・浄化槽・事実は?のページをリニューアルしました。
2022/10/11
下水道とは?のページをリニューアルしました。
2022/10/31
廃水浄化・排水規制に関わる法律のページを公開しました。
2022/12/29
浄化槽とは?のページを公開しました。
2023/1/24
下水道の運営・監査・法令のページを公開しました。
2023/3/13
SDGs対応型浄化槽のページをリニューアルしました。
2023/3/17
公共下水道の現状把握のページを公開しました。
2023/4/4
三重県亀山市との取組のページを公開しました。
2023/6/21
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